藤井風"HELP EVER HALL TOUR"@名古屋 に行ってきた

2021/1/17、藤井風さんにとって初めての全国ツアー…いや、tourに行ってきました。

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私にとっても初めての生風さん。本当に実在してました。

何よりもまず、HALL TOUR完走、おめでとうございます!!

無事完走を迎えられたということで、ネタバレ有りのレポなのか何なのかよく分からないブログを投下させていただこうかと。ただ、メモも何も取っていないので、正確性は保証できません(笑)

 

奇跡。もうただただ奇跡の連続だった。

プレミアチケットと化したこのホールツアーに当選できたことも、ホールツアーの開催を並々ならぬ覚悟を持って決めてくれたことも、自分がライブに行ける環境・状況にあることも、毎公演無事に幕が上がったことも、ツアーを完走できたことも。

チケットを申し込んでからも、当選してからも、何度も「これはライブ中止かもしれないな」と心の準備をしてきた。

でも、私は今ライブの感想を書こうとしている。なんと幸せなことか。

きっとこの先何年も何十年も、「私は藤井風の初全国ツアーに行ったんだよ!」って自慢しちゃうんだろうなぁなんて、そんな風に感じたライブでした。

 

まず、感染対策について。

グッズ販売はオーダーシート制。

入場時に検温、アルコール消毒は入場時と退場時の両方、紙チケットはこちらでもぎったものを係の方に確認してもらって箱に入れるという非接触方式。

座席はソーシャルディスタンス確保のため市松模様

発声はNGで、拍手と手拍子のみOK。

ライブ終了後は密を避けるために規制退場。

感染対策がきちんと取られていました。

 

会場内に入ると、ステージにはバンドセットとグランドピアノが。そして風さんのカバー曲が流れている。HELP EVER HURT COVERの曲たち、そしてへでもねーよEP、青春病EPのカバー曲たち。開演時間が近づくと、流れていたGood As Hellの音が次第に大きくなっていき、高まる会場の雰囲気とともに手拍子が起こる。

 

開演。

 

1.風よ

ピアノ弾き語りから始まったこの曲。何度聴いても惚れ惚れするほど綺麗なイントロ。

暗転したステージに、一つだけ灯るライト。

もう既に神々しさすら感じる一筋の光。後光が差してるのかと思った。


ちなみに、この日の髪型はパーマっぽいウェーブ。

衣装は、上は黒ゆるジャケットの中に、ボタンを開けて首元がはだけた白シャツ、そしてその中にグレーの長袖Tシャツ。下は黒ゆるパンツ。足元は使い込まれた感じの黒い革靴。いつものチェーンのネックレスに加えて、赤い紐のようなものも首元に見えた。

黒ジャケットの袖口ボタンも白シャツの袖口ボタンも全部開けていて、ルーズな袖口からすらりと伸びる長い手指が色気を増長させていたのでとても素晴らしいスタイリングでした…

ま〜じで指が長い。「ピアノを弾くために生まれてきました!!!」って長い指が叫んでた(指は叫ばない)。

あれでピアノ弾くのはどう考えてもズルい…

 

2.調子のっちゃって

こちらはスタンドマイクで。

「立ってもええんやで〜」と抜け感のある煽りが可愛らしい。

ステージの背景に巨大な「HELP EVER HURT NEVER」の白い文字が出現したことによって、後ろが巨大スクリーンだったことに初めて気付く。ホールツアーでそんな贅沢な…キャパ半分なのに…チケット代2倍払いますのに…

そういえば2番ではやはり首を絞めていた。

ラストの囁き「調子のっちゃって」も健在。ありがとうございます。

 

3.キリがないから

2番で、アンドロイドのHILOMUさんはご不在ながらちゃんとアンドロイドになる風さん。

レコーディングの際に偶然の産物として生まれたはずのラストの「フッ」もちゃんとライブでやってくれる。ありがとうございます。

 

MC(多分)

「Hello.This is Fujii Kaze.Thank you for〜 言うてますけどmore〜」

まずは鉄板のご挨拶から。これを聞くと風さんのライブに来た感じがする。

生「言うてますけどmore」に沸く会場。

「初めてのホールツアー…あ、hall tourで、緊張してます。名古屋の方はcoolだと聞くので。」

音楽界に蔓延る「名古屋の客は冷たい(けど心を開くと熱い)」的な定説だね、脅かしてごめんね…暗に「盛り上がってよ」と圧をかけてくる(?)風さん、悪くない。

あとカタカナで言ったあとに「あっ…」ってネイティブで言い直すの何なんwもはやご本人がネタにしている(最高)

 

4.優しさ

こちらはもちろんピアノ弾き語りで。

イントロの和音で「キター!!!」ってなるやつ(表現力ゼロ)。

言わずもがなの名曲。

 

5.特にない

風さんが説明しなくても、指パッチンのタイミングで会場から手拍子が起きてなんだか嬉しそうな風さん。

「みなさんのネガティブな感情が一つずつ消えていくように」的ないつものメッセージを伝えてくれている間に歌い出しに間に合わなかった風さん。ライブ感があって良き。

 

6.罪の香り

こちらはスタンドマイクで。

1番サビ中だったか、目がすごくキリッとしてて色気が凄い中で右のイヤモニを外すところを見逃さなかった。イヤモニフェチとして自分を褒めてあげたい。

確か2番でスタンドマイクから手持ちマイクへ。マイクをスタンドから外す時と、マイクをスタンドに戻す時の動作って何故か惹かれるものがある不思議。

2番途中で、外したイヤモニが激しい動きの最中に巨大な弧を描いて左側に行ったの最高だった。

この曲の時だったか、ステージを左右に練り歩きながら客席に向かって流し目を炸裂させていたので1階前方にいたお客さんの心臓を勝手に心配していた。

 

7.死ぬのがいいわ

ライブ映えするイントロランキング堂々第1位の曲。

やはりこの曲のイントロのライブアレンジが最高すぎる。「三度の飯よりあんたがいいのよ」とこの後歌うとは到底思えない美しいイントロ。

「死ぬのがいいわ」でお化けっぽいポーズしてた。

 

MC

「今日はなんと3階まであるんですよ。珍しい。3階までちゃんと見えてますよ、ほんまに。今日はええ目薬してきたんで。ちゃんと見えてます。」

見えてない時は正直に「見えてない」と言い、見えてる時にはちゃんと根拠とともに見えてることを教えてくれる風さんが好き。ええ目薬してきたんですね。ドライアイなのかな…?

名古屋トークはここだったかな?

風さんは天むすがお好きとのこと。「天むす食べた」って言ったら会場から拍手が起こって「天むす食べたら拍手してもらえるの?」みたいな風さんが可愛かった。

名古屋城はもっと歴史ある建物かと思いきや意外とポップだったことに驚いた風さん。

「金シャチ通り(?)金シャチ横丁(?)」を思い出せない風さんと、風さんが思い出せないことを見越してギターの文太さんに「金シャチ」を覚えておくよう根回しするteam風のチームワークに笑った。風さん、基本的に物事への執着心がないからすぐ忘れちゃうんですかね。

 

8.Aitai(カバー)

ステージにキーボードが登場していたこともあり、「名古屋出身でわしがリスペクトしている方の曲を」ということで加藤ミリヤさんのAitaiを弾き語りしてくれました。最高。私も加藤ミリヤさんの曲の中でこれが1番好き。

 

9.今夜はブギー・バック(カバー)

もう一曲カバーを、ということで引き続きキーボードで弾き語りカバー。

ラップまで堪能させていただきました。本当にラップスキルまで高いんだよね…逆に何ができないのかを教えていただきたいくらい。

 

10.もうええわ

キーボードといえば、この曲ですよ!!

もうええわの風さんには慈悲深さを感じる…気がする。

「うつむかないで 怯えないで」と歌われる度に強くなれる…気がする。

もうええわアウトロのライブバージョン早弾きが最高に好き。

 

11.へでもねーよ

マイクの持ち方のクセがすごい曲。

歌い出しでエクレア持ちじゃない!?ってなってよくよく見たら小指立てた両手でマイク持ってた(笑)あれは何持ちなんだろう?尺八が出てくるから尺八持ち…?

その後、お馴染みのエクレア持ちも登場。

「かと思いきや正反対」パートに来ると表情がガラッと変わるの、相変わらず憑依型で驚きます…照明もガラッと変わっていた気がする。照明部の素晴らしいお仕事ぶり。

そして、あんな妖艶にグランドピアノに寄りかかる方を未だかつて見たことがない…


MC

「名古屋の方はcoolかと思ったけどツンデレなんやな。最初ツンツンしとったけどだんだんデレの部分が出てきてかわいい。」みたいなことを言われてしまって軽率に恋。そんなあなたの方がかわいいですけどね!!

あともう一回くらい「かわいい」って言われた気がするんだけどもしかしたら私の幻想かもしれない。

風さんはそんな簡単に「かわいい」などと言ってはいけません!!そこらじゅうで恋が始まってしまいます!!(嘘ですもっと言ってください)

 

バンドメンバーのみなさんの名古屋(グルメ)トークで、マニアックな店名が出てくる度に観客の拍手の大きさでお店のマニアックさを判定する感じになってて笑った。私はどのお店も知らなかった(笑)

ギターの文太さんは名古屋は二度目とのこと。台湾ラーメンを味仙じゃなくてドラゴンズファンだらけの中華のお店で食べたらしい(拍手大きめ)。

ベースの真船さんはあんかけスパのお店を(拍手そこそこ大きめ)。

ドラマの佐治さんはカレーマニアとのことでカレーのお店を(拍手少なめ)。さすがカレーマニア。

カレーの話の流れから、team風の現場でよく差し入れされるCoCo壱は名古屋発祥なんだよ!と教えられた風さんがびっくりしてた。

 

「バンドメンバ…あ、band memberも紹介できたところでバンドっぽい曲を」と次の曲へ誘導する風さん。だからわざわざネイティブで言い直すの何なんw

 

12.さよならべいべ

巨大スクリーンが夕暮れ色になっていて、この曲の温かさとライブも終わりに近づいてる感じが背景とマッチしていてすごく良かった。

サビのお手振りが楽しくて問答無用で盛り上がるなぁ。

ギターの文太さんとベースの真船さんがステージを右に左に闊歩していてすごくバンドっぽいのも楽しかった。

 

「来んと思った時は本当に来るもので…毎日生きてて嫌なこととか厄介なこととか沢山あるかもしれないけど、ネガティブな感情を今だけは忘れて、今日は帰ってほしいなという祈りを込めて。」

こんな感じの言葉とともに次の曲へ。

 

13.帰ろう

いつもよりシンプルなイントロ。

しかし歌い始めたところで歌詞が飛んでしまって、やり直すことに。

「大丈夫だよ!」と言葉にして伝えられない代わりに、温かい拍手が会場を包む。

2度目の帰ろうを聴くことができました。こういうのもライブ感があって私は好き。

2度目のイントロはシンプルじゃなくていつも通りだったかな。

2番で背景に無数の星が浮かんで素敵な星空が出現。「さよならべいべ」で夕暮れだった空は満点の星空に姿を変えた。もうこの時点でグッとくる。

そして、MVでは無数の風船が浮かぶあたりで、背景だったはずの無数の星たちが広がっていき、客席を照らし、包み込む。初めて星に包まれるという経験をしました。「帰ろう」という楽曲の素晴らしさと照明の素晴らしさがマッチしすぎている…またもや照明部の仕事ぶりがあまりにも最高。ありがとうございます。


「わしも間違えるし(笑)、みんなも間違えることもあるかもしれない。なぜなら、青春の病に侵されているから。」

さっきのアクシデントを織り交ぜつつ、次の曲へ。

 

14.青春病

「これが最後やで!」と叫んで最後の曲であることを教えてくれた。

「君の声が 君の声が」で片手ずつ挙げて「頭かすめては焦る」で頭ぐるぐるしてたのが可愛かった。

歌詞は文学的なのに可愛くて楽しくなる曲。

風さんの野ざらしダンスもみんなちゃんと予習してきてる。

アウトロ演奏中、ひと足先にステージから姿を消す風さん。舞台袖でスタッフさんが労うように風さんの肩を叩いていたのがなんだか素敵で印象的だった。

 

本編終了。

 

アンコール①

15.旅路(新曲)

拍手が鳴り止まない中、黒ゆるジャケットを脱いだ白シャツ姿の風さんが登場。

ピアノオンリーで新曲披露。

言葉を一つひとつこちらに手渡してくれるように優しく丁寧に歌う姿が目にも耳にも焼き付いているし、すごく聴き取りやすかった。

「この宇宙が教室なら 隣同士 学びは続く」

「僕らはまだ先の長い旅の中で 誰かを愛したり 忘れたり 色々あるけど いつの間にか この日さえも懐かしんで 全てを笑うだろう 全てを愛すだろう」

「宇宙」という壮大な世界を「教室」という身近な世界でたとえる風さんがとても好きだなと思った。

よくよく考えてみれば、「帰ろう」を大好きな私がこの曲を好きにならないわけがなかった。「帰ろう」という曲の魂と「旅路」という曲の魂は、ある意味対になって共鳴してる。

「帰ろう」では如実に死生観が表現されていて、それはどちらかというと「死」の側から人生を見ている感じ。対して「旅路」は「生」の側から人生を見ている感じ。

主題歌としてタイアップがついている「にじいろカルテ」は命を取り扱っているドラマだからこそ、「旅路」から強い生命力を感じるのかもしれない。藤井風要素を持ち続けたまま、ドラマにもしっかり寄り添う。初めてのタイアップから既に最適解を叩き出す風さんにはひれ伏すしかない。

ライブで一度(+ドラマで流れた部分)しか聴けていないので、楽曲がちゃんと聴ける状況になったら改めてゆっくりじっくり噛みしめたい。

丁寧に弾き語る風さんの姿を見れば、「旅路」という曲への風さんの想いは伝わってきたつもりだから。

 

アンコール②

16.Just the two of us(カバー)

白シャツも脱ぎ、赤シャツと赤Tシャツ(多分)に衣装チェンジ。下は変わらず黒ゆるパンツ。

なんと風さん、サックスを吹きながらの登場。

サックス吹く風さんまで見れてしまうんですか…いいんですか…

ずっとサックス吹いてる風さん、もはやプロのサックス奏者なのですが。

ずっとサックス吹いてたのに、サビで一言だけ「Just the two of us」って囁くように歌ってまたサックス吹き出した瞬間、凄すぎてもはや面白くなって笑ってしまった。

才能が大気圏突破してますけど大丈夫ですか…?

2番から普通に歌い出す風さん。なんか1番サビの衝撃が強くて2番の記憶がほぼ無い…

曲中にバンドメンバーの紹介。風さんもサックスとして紹介される。ブラボー!!

 

17.何なんw

ラストに「何なんw」はもうお祭りですよ。

楽しいのなんの。

「声は出せなくても、心の声で歌うてや〜!!」って言った風さんはやはりサビの「何なん」でマイクをこちらに向けてくれる。心の声で歌いましたとも。楽しい。

綱渡りの振りも健在。

アウトロのピアノパフォーマンスがやっぱりどうしたって最高なんだ。これぞライブ。

 

最後はバンドメンバーのみなさんとともにご挨拶。マイクを持たない風さんは地声で「良いお年を!」と大きな声で伝えてくれました。今ツアーお決まりのフレーズだそうで。年が明けても「良いお年を」は使えるそうです(風ルール)。「良いお年を過ごそうね」っていうことだもんね!

バンドメンバーのみなさんとも手を繋げないから、全員で謎のポーズ(両隣とエアーグータッチしながらカーテンコールの役者さんのような膝曲げ)をしながらお辞儀。

バンドメンバーのみなさんが捌けてひとりになった風さん、意を決したように「名古屋愛しとる!」って叫んだ後に両手で顔を覆ってて、むしろこちらが愛しました。

名古屋の中心で愛を叫ばれてしまったなぁ。

 

終演

 

最後に

ライブ中、風さんは「わしがここにいるのもみんながここにいるのもmiracle」だと言っていた。私もライブ中ずっとそう思っていた。

「やりたい」という気持ちだけでは開催できない状況で、どうにか開催できる情勢であって、このツアーに携わっている方々が健康で、観に行く私たちも健康で、無事に開演して、無事に終演する。それがどれほどに当たり前ではなくて貴重なことであるか、痛感せずにはいられなかった。

 

発声できない分、私たちは想いの強さを拍手で伝えるしかなくて。曲と曲との間もずっと拍手が鳴り止まなかった。あの拍手の波に乗って、私たちの想いもちゃんと風さんに届いたかな。

 

「不要不急」が叫ばれ続ける今、私にとってエンターテインメントは心を豊かにしてくれる、絶対に必要なもの。開催、中止、延期。様々な選択肢を取るイベントがある中で開催を決めてくれたこと、とても救われました。

座席を市松模様にするなどの感染対策を講じてツアーを開催することで、会場のキャパシティは半分。当然収益も単純計算で半分でしょう。それでもチケット代は当初と変わらず据え置き。できることならチケット代2倍払いたかった。会場内に募金箱とか設置していただけたら諭吉さんをねじ込みましたのに…

ライブに対する正当な対価としての報酬をお支払いしたいのは勿論のこと、私はHEHN RECORDSへの先行投資をしたいのです…HEHN RECORDSは一体どこから資金を捻出していらっしゃるのでしょう?アルバム沢山売れたから大丈夫なのかな…?

できることなら定額制の課金先が欲しいです。それが無理ならば、藤井風基金が欲しいです(笑)

 

冗談はさておき(?)、いつかみんなが何も気にせずにライブに行くことができて、声を出したり、手拍子したり、好きなようにライブを楽しめる、そんな日が来ることを願って。